世界中で愛されるコーヒー。その味わいは、豆の産地によって大きく異なります。土壌、気候、標高などの環境的要因が、コーヒー豆の品質と風味に大きな影響を与えるのです。
今回は、世界の有名なコーヒー産地を訪ね、京都珈琲焙煎所「旅の音」が厳選する豆の魅力と、生産者との信頼関係について探っていきましょう。
世界のコーヒー産地
数あるコーヒー産地のなかでも、ブラジル、エチオピア、コロンビア、グアテマラなどはよく耳にする産地ではないでしょうか。
世界にはさまざまなコーヒーの産地がありますが、赤道を挟んで北緯25度から南緯25度までの一帯は「コーヒーベルト」と呼ばれるコーヒー栽培に適した地帯。有名なコーヒー産地の多くがこの「コーヒーベルト」に属しています。
世界の有名なコーヒー産地と、それぞれの産地で栽培される豆の特徴をご紹介します。
ブラジル
世界最大のコーヒー生産国であるブラジル。アンデス山脈の肥沃な土壌と気候条件が、多種多様なコーヒー豆の生産につながっています。ブラジル産のコーヒーは、ナッツやチョコレートのような風味が強く、南米系のコーヒーならではの滑らかな口当たりが特徴です。
エチオピア
コーヒーの発祥地とされるアフリカの国エチオピアは、花のような独特の芳香と爽やかな酸味が魅力です。特に、シダモやイルガチェフェといった地域のコーヒーは、フローラルな香りとワインのような酸味が特徴。
エチオピアでは、お客様をコーヒーでおもてなしする「コーヒーセレモニー」という文化があり、伝統的な作法にのっとった儀式をはじめ人と文化、コーヒーとの関わりが非常に深い国です。
ケニア
ケニア産コーヒーは、強い酸味と果実感のある風味で高い評価を受けています。標高の高い農園で育つケニアのコーヒー豆は、特にブラックカラントやトマトのようなフレーバーが特徴的で、高品質なものが多く生産されています。
ケニアのコーヒー産業はまだ歴史が浅く、日本にもそれほど多く輸入されていません。しかし、ヨーロッパを中心に、近年のスペシャルティコーヒーの流行による後押しもあり、勢いを増している生産国です。
インドネシア
「インドネシアのコーヒー」と言われるとピンと来ない人も多いかもしれませんが「マンデリンコーヒー」と言われれば聞き馴染みのある人も多いのではないでしょうか。マンデリンコーヒーの産地スマトラ島やジャワコーヒーの産地ジャワ島など、インドネシアで栽培されるコーヒーは、多湿な気候と火山性土壌がもたらす深いコクとスパイシーな風味が魅力です。
その他にも、グアテマラ、コスタリカ、ジャマイカ、ホンジュラスなど、それぞれの地域が持つ独自の風味や特性を楽しむことができるさまざまな産地があります。
旅の音が厳選するコーヒー豆
世界中の産地から厳選したコーヒー豆を取り扱っている京都珈琲焙煎所「旅の音」。焙煎度合い別に、焙煎士のおすすめするコーヒーを風味や香りの特徴とともにご紹介します。
豆箱 マンデリン トバコ(深煎り)
ハーブのような爽やかな香りとマンゴーのようなトロッとした甘みや酸味がありつつ、ミルクチョコレートのような濃厚な飲み口のマンデリンコーヒー。インドネシアのマンデリンで栽培されるコーヒー豆を深煎りにし、どっしりとしたボディとナッツを感じさせる心地よい苦味が特徴になるように仕上げました。
ビターな甘さと苦味、濃厚な味わいはミルクとの相性も抜群で、旅の音のカフェオレはこの「マンデリン トバコ」を使用しています。
豆箱 ホンジュラス エルロブラル農園(中深煎り)
旅の音で人気の高い「ホンジュラス エルロブラル農園」は、トロッとした口当たりを感じた後にオレンジのようなフレーバーがほんのりと香る少し深めの焙煎です。
ジューシーで甘いオレンジ感とダージリンのような深い味わいが魅力で、苦味は少なく蜂蜜のような奥深い甘みの余韻が残ります。
豆箱 エチオピア イルガチェフェ(浅煎り)
コーヒー発祥の地エチオピアの中でも、最高峰の産地で知られるイルガチェフェ地区のコーヒーは、さっぱりとした飲み口ながら完熟したラズベリーのような華やさと甘さ。
「コーヒー豆」となるコーヒーの種子の状態ではなく、コーヒーチェリーごと乾燥させる「ナチュラル」精製方法は、果肉の甘みが種に移り熟成した赤ワインのような風味を生み出します。酸味はまろやかですっきりとした味わいです。
ミャンマーの小規模農家との関係性作り
京都珈琲焙煎所「旅の音」では世界中の産地から厳選したコーヒー豆を取り扱っていますが、特にミャンマー産のコーヒーに注目しています。ミャンマーは、近年コーヒー生産に力を入れており、標高の高い地域で栽培された豆は繊細な甘みとフルーティーな酸味が特徴です。
旅の音では、ミャンマーの小規模生産者との直接的な関係を築き、厳選した生豆だけを仕入れ、焙煎し、お客様にお届けしています。ただコーヒー豆を仕入れるだけでなく、焙煎士、バリスタが現地を訪ね、コーヒー豆の栽培や品質管理から関わるなど生産地とのより良い関係の中で高い品質と信頼性を確保しています。
小規模生産者が丁寧に育てたコーヒー豆は、大量生産されたコーヒー豆とは異なり、個性的なコーヒー豆、農家の革新的な取り組みから生まれたコーヒー豆など、バリエーションも非常に豊か。
焙煎、抽出を通して生産者の想いと美味しさをお届けすること。それが私たちの使命であり、私たちの考える「美味しいコーヒー」です。
コーヒー豆の選び方のポイント
極上のコーヒーを楽しむには、豆の選び方が重要です。
まず、注目したいのは生産地と品種。産地ごとの特徴を理解し、自分の好みに合った豆を選ぶことが大切です。
また、浅煎りは酸味が強く、深煎りはコクが増すなど、焙煎度合いもコーヒーの風味に大きく影響します。リラックスしたいときには深煎りを、すっきりと目覚めたい朝には浅煎りを選ぶなど、その日の気分や体のリズムに合わせてコーヒーを選んでみるのもいいでしょう。
さらには、フェアトレードや有機栽培など、認証ラベルも豆選びの参考になります。生産者の労働環境や環境保全に配慮しているこれらの認証は、コーヒーの風味や香りだけでなく、コーヒーを通じて自分自身の価値観を見出す基準にもなります。
世界中から見つける、自分好みのコーヒー産地
京都珈琲焙煎所 旅の音は、ミャンマー産を始めとする世界中の厳選されたコーヒー豆を取り扱い、味や香り、それぞれのコーヒーが生まれた背景まで含めたコーヒーの魅力をお伝えしています。
自分好みの一杯を見つけることで、コーヒーの楽しみ方が一層深まります。旅の音で極上のコーヒー体験を味わってみてください。
【店舗情報】
京都珈琲焙煎所 旅の音
〒606-8247京都府京都市左京区田中東春菜町30-3 THE SITE A 叡電元田中より徒歩5分 / 市バス高原町より徒歩3分
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