世界に愛されるクラフトシロップを、京都から。
これまで京都珈琲焙煎所旅の音で取り扱っていたクラフトシロップ事業から、京都発祥のクラフトシロップ専門企業『キョウトクラフトシロップカンパニー』へと生まれ変わりました。
厳選した素材を使用し、手作業で丁寧に作られるクラフトシロップは、ただ甘味を加えるというだけでなく、自分好みの味わいを楽しみ、豊かで淑やかな毎日へと変えてくれるもの。
キョウトクラフトシロップカンパニーの想いやブランド誕生にまつわるストーリーをお届けします。
日常にちょっぴり個性をプラスして。クラフトシロップづくりへの想い
コーヒーやカクテルにちょっぴり足して味の変化を楽しんだり、お菓子やお料理の風味づけに使ったり。本来の味を邪魔することなく、風味や個性をプラスしてくれるのがクラフトシロップです。
これまで“上質なスペシャルティコーヒー”にこだわってきた京都珈琲焙煎所 旅の音。「特別な一杯のための高品質なシロップを作りたい」と考え、旅の音で製造していたクラフトシロップ製造の機能を独立したブランドとして立ち上げることになりました。
世界のシロップ市場は約5,000億円規模。現在もなお成長を続けている市場ですが、大手ブランドによって市場を寡占している状態にあります。キョウトクラフトシロップカンパニーは、この巨大市場に風穴を開け、京都の伝統とクラフトマンシップを武器に独自の価値を提供することで新たな市場を開拓しようとしています。
京都珈琲焙煎所旅の音ではこれまでも、『濃縮ジンジャーシロップ』をはじめ自社プロダクトの開発・製造・販売に加え、PBやOEM製品の開発・製造にも力を入れてきました。
特に自社プロダクトに関しては材料にも製法にも旅の音の思いを詰め込んだこだわりのシロップを製造していましたが、当初は製造だけは協力業者さんにお願いをしていました。そんななか、製造も含めた全ての工程を自社で行うことはできないかと試行錯誤。シロップ造りの工程の一部をB型就労支援施設「タビノネ」の利用者のみなさんに委託するなど、自社での一括製造・販売する体制を整えることができました。
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これまでのシロップ製造のノウハウを活かし、私たちにしかできない唯一のシロップを作り出すため、産地と原料の探求、最適な砂糖のブレンドなど細やかな味の開発を重ねました。
キョウトクラフトシロップカンパニー初のクラフトシロップ専門ブランド『Toulo』の立ち上げや、PBやOEM製品の製造にもこれまで以上に力を入れることができるようになり、自社製品とOEM製品を合わせた昨年の生産本数は前年比40%増となるなど、早くもご好評をいただいています。
高品質で手の届きやすい価格のものを、丁寧に、手作業で。
キョウトクラフトシロップカンパニーのクラフトシロップは、厳選した素材を使用し、添加物をできるだけ使わず、それでいて手の届きやすい価格のものを手作業でつくることに一貫してこだわっています。
オーガニック栽培の材料のみに限定するなどこだわりを追求すれば、より理想的なものを製造することができます。しかし、原料や素材にこだわればこだわるほど、生産本数が限られ必然的にコストも高くなり、お客様に長く安心して使い続けていただけなくなります。また、機械で大量に生産すると、糖度にムラが出るなど品質を一定に保つことが難しくなるなどの恐れも。
こだわりの素材で作られた上質なシロップを、品質も価格もどちらも妥協せず、お客様に安心して使い続けて欲しい。これが、私たちの想いです。
クラフトシロップのレシピ作りから開発・製造までを一括して担当する西邑さん。クラフトシロップの製造工程はさほど複雑ではないものの、材料を火にかけすぎると風味が変わってしまったり、時間が経つと再結晶化してしまったりと、とても繊細だといいます。反対に、火にかける時間が短いと著しく糖度が下がったり、衛生面での心配も起きてしまいます。
「シロップが出来上がるまでの工程は、砂糖と水を火にかけて煮詰め、こまめに糖度をチェックし、瓶に詰めてキャップを閉めるというシンプルなものです。しかし、理想の糖度になるまで微妙な調整が欠かせません。材料を煮詰めながらこまめに糖度を測定し、理想の糖度になるまで丸一日鍋を煮詰めることもあります」
砂糖以外の素材を使ったシロップや、果汁などの水以外の水分を材料として使うシロップの場合、材料を入れるタイミングやその割合など難易度が高く熟練の技術を要します。
たとえば、旅の音の『濃縮ジンジャーシロップ』の材料である生姜は、それ自体にも水分や糖分などが含まれています。生姜の風味がしっかり出るようにするためには生姜の水分を活かし、材料として入れる水分の量を調整しないといけません。また、生姜の糖分と材料として使用する砂糖の糖分の割合の調整も難易度の高い作業です。
「水分の割合が合って、上手く糖度を合わせることができても、素材の風味を引き立ててくれるような砂糖を選ぶ必要があります。砂糖にも種類によってさまざまな風味があり、黒糖などコクがあって美味しい砂糖も、風味が強いため、シロップの材料として使うと素材そのものの風味を邪魔してしまうことも。目指す味のシロップが出来上がるまで、作っては味見をして、調整をして、また味見をして調整をして……と、ひたすらトライアンドエラーしかありません」
PB製品やOEM製品も、企画・開発から。
キョウトクラフトシロップカンパニーは、自社プロダクトの製造販売だけでなく、他社のPB製品やOEM製品の開発から製造までを一貫して受けることができることも強み。クラフトシロップ製造で培ったノウハウを活かし、商品の開発段階からお手伝いをすることができます。
とはいえ、ほとんどゼロの状態から商品開発をはじめる場合も多く、なかには「こんな感じのシロップが欲しいんです」と企業様からのイメージだけを頼りにレシピ開発を行うことも。
レシピ開発から携わる場合、まずはベースとなる砂糖を決め、それに合う材料を選び、少しずつ足しながら味をつくっていきます。上白糖など精製された砂糖はサラッとした味できび砂糖や黒糖などはコクがあるなど、砂糖の味は特徴的でわかりやすいのだとか。
「こちらもお客様もまだ“正解”がない状態。試作品を作ってはお客様に確認していただき、修正を繰り返します。多いときには味のやり取りを10回以上行うことも。企業様から『この通りに作ってください』とレシピをいただき、それに沿って製造することもありますが、レシピ通りに作ったとしても毎回同じ味に仕上がるとは限りません。風味や糖度にムラが出ないようにしたり、時間が経って再結晶化してしまわないようにしたりと、一定のクオリティのものを作り続けられるよう細かな調整が必要です」
世界規模の市場に切り込んでいける日本のブランドになれるように。
キョウトクラフトシロップカンパニーのシグニチャーブランドである『Toulo』から発売した3つのシロップは、材料に砂糖のみを使用した「シンプルシロップ」と呼ばれるもの。ベースに北海道産のてん菜糖と徳島県産の和三盆糖を使用しています。3種類とも糖度70%と全く同じ糖度ですが、製法を変えることで風味や色、使用感の異なる商品に仕上げています。
まずはシンプルな材料を使ったシロップを展開し、ゆくゆくはライムコーディアルやグレナデンシロップなどカクテルに使われるシロップなども展開していきながら、日本のブランドとして世界規模の市場に切り込んでいけるブランドへの成長を目指しています。
日本ではシロップの用途は限定的ですが、欧米を中心に世界ではシロップは飲み物や食べ物問わず幅広く使用されており、一般的なスーパーでもたくさんの種類のシロップが並んでいます。各国でさまざまなシロップが販売されていますが、日本では流通しているものが少なかったり輸入品のため価格が高価であったりといった理由からなかなか普及が進んでいません。
これまで世界中のコーヒー農家から仕入れた厳選したコーヒー豆で淹れるスペシャルティコーヒーにこだわってきた旅の音でさえ、コーヒーに添えるガムシロップまでこだわることができていませんでした。
「日本の素材を使い日本ならではの味わいを追求した私たちのこだわりのシロップをきっかけに、より多くの方が自分好みの味わいをプラスすることを日常的に楽しんでいただけるようになればと思っています」
【『Toulo』ブランドホームページ】
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