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      京都珈琲焙煎所「旅の音」の焙煎士と京都の茶葉専門店「7T+」代表中野さんによる、コーヒーとお茶、それぞれ領域を追求するプロフェッショナル対談【前編】

      日々の喧騒から離れて、美味しいコーヒーを飲みながらほっと一息……。深呼吸するときの「すーっ」という音から名付けられた『Suu』では、自分のためだけの淑やかで豊かな時間を提供しています。

      今回『Suu』がお届けするのは、京都の茶葉専門店『7T+』の代表・中野さんと『京都珈琲焙煎所 旅の音』の焙煎士・池尾の対談です。

      前編は、7T+の店内で、こだわりのお茶をいただきながら。コーヒーとお茶、それぞれの領域を追求するプロフェッショナル同士のお話をお楽しみください。

       

      7T+ 代表 中野賢二さん

      茶葉専門店『7T+』のオーナー。元は陶芸家として滋賀・信楽町に窯を開く傍、京都の中国料理店を経営するなど異色の経歴を持つ。日本国内や中国の国家資格を取得し、2021年6月に『7T+』を京都・河原町にオープン。中国や台湾のお茶を中心に、世界中の個性的なお茶を取り扱う。

      京都珈琲焙煎所 旅の音 池尾天太

      旅の音の焙煎士。学生の頃、友人に淹れてもらったコーヒーの美味しさに驚き、この世界へ。コーヒー豆の仕入れから、検品、焙煎、商品作りとトータルで関わる。ブレンド作成の工夫や国や精製方法、フレーバーでの豆選びなどコーヒーに馴染みのない方にもコーヒーの美味しさを知ってもらえるようなコーヒーの味を追求。  

       

      お茶もコーヒーも嗜好品。自分の好きな味で、楽しんで飲んでいい

      池尾 今どのくらいの数のお茶があるんですか。

      中野 カウンターに並んでいるのが70種で、他のもいれると80種を超えていますね。でもこれはほんの一握りです。今世界中には3000種類ものお茶があると言われていて、その中からより特徴的なものを選んで取り扱っています。

      池尾 もともとコーヒーはお好きなんですか?

      中野 好きですよ。コーヒーは一瞬で気分を変えられるっていうところが羨ましいですね。朝に一杯飲んだら、まるで油絵の具をキャンバス一面に塗ったみたいに、ガラッと景色が変わる。一方お茶には、一煎目、二煎目、三煎目と変化を味わう楽しみ方があります。特にウーロン茶などのリーフの大きいお茶は、3煎目が味や香りのバランスがいい。物語があるんです。

      池尾 コーヒーの場合、基本的にお湯を注いだときに、酸味や甘味、旨みなどの美味しい部分がほぼほぼ出切ってしまいます。そのあとは、ただ苦味や雑味が出続けるだけなので、基本的には一回きり。その点、お茶は面白いですね。

      中野 旅の音さんでは、コーヒーの淹れ方についてはお店で細かく決められているんですか?

      池尾 お店として味が統一できるように、温度や時間、量などある程度決めていますが、結局は嗜好飲料なので、自分の好きな味で飲んでいただきたいとも思っています。お客様のお好みの豆があれば特徴をまずお伝えして、「こういう入れ方はどうでしょうか」といった感じでおすすめします。もちろん、お店の味が飲みたいと言われたらお店の淹れ方で。やっぱり自分が美味しいように飲むのが1番なので。

      中野 お茶屋さんのなかには「このお茶は何分何秒で入れてください」とかかなり細かく指定しているところもあるし、うちの商品もパッケージに「100℃で1分間」なんて書いてはいるんですが、季節や気温や味も使う器によって味に違いがでたりするので、あんまり数字にこだわりすぎてもよくない。茶道などの文化的な影響もあって、お茶だけは心を込めて、無言で、精神統一して……とやっちゃいがちですよね。でもなかには「そんなのいいから早く飲ませて」って思う人もいると思う(笑)こうじゃなきゃ絶対ダメということはないので、1番簡略化したやり方でいいと思っています。

      池尾 そんな感じでいいんですか。

      中野 うん、お湯を注いで待つだけだから。それぐらい気楽な感じでいきましょうよ。

      池尾 僕も考え方としては同じです。難しいことは考えて頂かなくてもよくて、リラックスして落ち着いて飲んでいただければ。

      中野 お茶ってすごい難しいものだと思われていますが、自分の好みの味を自分で見つけて頂ければいいと思っています。 最近僕は、自分の好みの味や飲み頃は見て判断するようになりましたね。この茶葉だったらこのくらいの色だなとか、そろそろ葉っぱが開ききったなとか。

      中野 女性のお客様でよく「美容に良いお茶はどれですか」と聞かれる方もいるんです。お茶の成分のほとんどは、実はお茶淹れた後の茶葉の中に残ったままなので、成分を体に取り入れるという点では抹茶をお勧めしているんですが、コーヒーはどうですか?

      池尾 食物繊維などは、お茶と同じで淹れた後の粉に残っているんですけど、水溶性の食物繊維なのでそれもほとんど出てしまいますね。

      中野 なるほど。抹茶は茶葉をすりつぶして飲むものなので、天然のサプリメントのようなものなんですよね。おすすめすると「茶道をやってないけれど、買っていいんでしょうか」って聞かれる方や、「抹茶の道具を持ってないからダメですよね」と言われる方もいますが、全然買っていいし、どんな器で飲んでもいいんです。僕の抹茶碗はこれですから。

      池尾 えっ!

      中野 吉野家の非売品のどんぶりです。吉野家の開発チームが究極の牛丼を食べるために考案した器で、重さや厚み、牛丼をかきこむときにすーっと米が落ちてくる速度まで考えて作られたものらしいんですが、これがもう抹茶を飲むときに完璧なんです。

      池尾 完璧な器に出会われたんですね。現代人はすぐ正解求めてしまうので、専用のアイテムを揃えて「これを使えば絶対美味しくなる」という考えになりがちですが、そうじゃない楽しみ方もありますね。

      中野 日常で嗜好品としてお茶を飲む私たちは、文化や精神性などは一旦置いておいて、まずは楽しんで飲んでくださいと思いますよね。

      温度や時間の経過とともに変わる味や香りを楽しむ

      中野 うちのお客様は、バリスタさんやソムリエさんとなど、お茶以外の飲み物を生業とされてる方が非常に多いんです。日頃からこうした方々にお茶をおすすめすることが多いのですが、いつも感心させられます。特に焙煎士の方は、焙煎したお茶のその奥にある本質を掴む能力が長けていらっしゃる。あるお茶を一般の方に飲んでいただくと、「ほうじ茶に似てる」など表面の焙煎香だけで判断されることも多いのですが、焙煎士さんだと「すごくフルーティーな味がしますね」や「奥の方にスパイシーな香りがありますね」など本質的な部分を感じ取って言語化されます。日本のお茶の業界ってそういうのを諦めてて、「さっぱり、すっきり。ほっこり」みたいな表現に逃げちゃうんですけど(笑)

      池尾 コーヒーでいえば、甘み、酸味とかボディ、アフターテイストみたいなあるんですけど、それと似ていますね。僕が味を言語化するときは、「ベリーに似た香り」とか「甘みが強い」とか、味として想像しやすい表現を心がけています。例えば「ブラッドオレンジ」って言われてもほとんどの人は食べたことないですよね。なので、イメージできそうにない言葉は使わないように気をつけています。コーヒーにはこうした香りや味の情報があるんですが、淹れたての温度が高いときに感じるものと、徐々に温度が下がっていく段階で感じるもの、温度によって味や香りが細かく変化するんですが、お茶にもそういったことはありますか?

      中野 はい、実際お茶の品質鑑定や品評会では、熱湯で淹れたお茶を飲んで、冷えたときにもう一度飲んで評価が行われます。お茶の味の長所・短所は各温度域で変わっていくので、両方で試してみて、どのような特徴を持つお茶なのか、どれくらいの値段で買うのかなど最終的に判断されます。

      池尾 コーヒーでも「カッピング」というコーヒー豆の審査のようなものがあります。カッピングの方法は世界共通で、基本は高い温度の状態からまずカッピングをしますが、温度が下がってから飲むと「ちょっとカビ臭いな」とか「思っていた味と少し変わったな」って思うことがあるので、お話を聞いているとお茶と全く一緒だなって感じますね。

      中野 お茶は、日本だけ審査方法が少し違って減点方法が主流です。スタート時の持ち点200点から、粗探しをしてどんどん点数を引いていくという……。

      池尾 なんか、日本人の性格っぽいというか……(笑)

      中野 中国はいろんな審査方法がありますが、基本はゼロベースからどれだけ良いところがあるかを審査していく加点法です。例えば、このお茶は「京番茶」といって、昔から京都のこのあたりで庶民に飲まれてきた京都のお茶なんですが……。

      池尾 おお!これ僕めっちゃ好きかもしれない。

      中野 コーヒー好きな方はみなさんこのお茶が好きって言ってくださいますよ。

      池尾 香りがすごく高くて、余韻が鼻の奥に強く残りますね。

      中野 「炒り番茶」とも呼ばれていて、ほぼ焦げているような状態まで焙煎されているのでとてもスモーキーな香りがします。ここまでくると茶葉本来の風味もないので、先ほどの減点法で評価をしたらこれは欠陥茶。でも、この香りがあるからこそ現代まで生き残ってきたお茶です。減点法だと、確実にいわゆるクオリティの高いお茶を選び出すことはできますが、反対にこうした強烈な個性を持つお茶の可能性を切り捨てることにもなる。うちも加点法でお茶を選んでいて、少し欠点があるけれどこんな良いところもある、という良さを紹介したいなと思っています。

      池尾 ほかにも、特殊な製法のお茶はあったりしますか。

      中野 例えば、冷凍したままで消費者まで届く茶葉。お茶を乾燥させずに冷凍させて、出荷から保管時はもちろん、お客様が購入したときでも凍らせたままクーラーボックスのようなものに入れて持って帰ってもらうようなお茶です。最近は、こうしたイノベーションは中国が積極的ですね。

      プロとしての仕事をするため、身体のベースを整える

      中野 お仕事としてコーヒーの味を確かめたりするときに、前の日食べたものとかその日の体調で左右されたりしませんか。

      池尾 めちゃめちゃあります!なので、うちでは月曜日と火曜日を豆のクオリティチェックをする日と決めています。その日に合わせて、食べるものや寝る時間帯を気をつけたり、香りの強いものを食べないようにするなど体調に左右されないよう体のベースを整えています。気をつけてはいても、やはり日によってはブレがあったりするので難しいところですよね。

      中野 お腹が空いてるときとある程度満たされているとき、どっちが敏感ですか

      池尾 少しお腹に入ってるぐらいが1番敏感ですね。満腹だと体も脳も満足しているので情報が何も入ってこないし、空腹すぎると何かでとりあえずお腹を満たしたいという欲求に頭が持っていかれてしまうので、コーヒーの味や香りを正しく判断できないんです。

      中野 僕も同じです。あと、スパイスカレーを食べた次の日は味や香りがまったくわからなくなります。「あれっこのお茶は、もっと香りがあるはずなんだけどなぁ」って。

      池尾 カレー!わかります(笑)旅の音には僕の他に焙煎士が2人いますが、3人がそれぞれ焙煎してそれぞれ味が違ったらお店として成り立たないので、味覚やコーヒーの味に対する感性を揃えるようにしています。味や香りをどう感じるか、お店としてどういう方向に合わせていくべきかなど感覚的なものになるのですが、お店やその空間にあわせた味作りを目指して共通認識をすり合わせます。試行錯誤を続けてきて、ようやく3人の認識が合わさってきて、お店のイメージと味とのイメージをリンクでいていると感じていますね。

      中野 僕はプロの方が作ってくださったお茶の味を信じて、自分なりに解釈して、お客様に販売しているのですが、コーヒーの味を作る焙煎士さんはさらに難しいですよね。うちではできるだけ生産者さんからバトンを引き継いだままの形をお客様にお届けしたいので、今はこちらで手を加えることはしていないのですが、将来的にはコーヒー屋さんのように、小さな焙煎機を置いて、自分たちのお茶を作ってみたいとも思っているんです。お店に入って、茶葉を焙煎した香りがしていたら、お客さんも楽しいと思うし、視覚や嗅覚でも楽しめる。自分たちの味を持てるっていうのは、私たちのようにお茶やコーヒーを扱う人たちにとって強いセールスポイントになるだろうなと思っています。


      【取材協力】

      7T+(セブンティープラス)

      京都府京都市下京区塩屋町73-1
      075-708-7199

      OPEN 11:00〜19:00  無休
      (詳しくはInstagramストーリーにて告知いたします)
      https://7teaplus.com

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