2024年5月に誕生した、ライフスタイルブランド『Suu』。
『珈琲焙煎所 旅の音』、『MAMEBACO』、『喫茶と菓子タビノネ』、新ブランドの『氵庵 - sanzuian -』の4つのブランドと、これから生まれるブランドやプロダクトの新たなプラットホームとして、喧騒に溢れた日常のなかにふと感じる「静けさ」、自分のためだけの静けさを「淑やか」に味わえる時間から生まれる「豊かさ」をお届けします。
こころと身体と向き合う瞬間を生み出し、細やかでも生活していくことを肯定する。そんなSuuの目指す世界をご紹介します。
日常のなかにあるふとした静けさ。それを味わえることこそが豊かさ。
はじまりは、京都市左京区の住宅街の中にひっそりと佇む『珈琲焙煎所 旅の音』。
美術学校の教室をリノベーションした小さな焙煎所では、“より美味しい一杯”のために毎日丁寧に、そして手間暇をかけたコーヒーをご提供しています。旅の音の焙煎士やバリスタが世界中の産地に足を運び、小規模でもこだわりを持って生産を続ける小規模農家から直接仕入れたスペシャルティコーヒーをはじめ、Suuで取り扱うすべての製品に作り手の想いやこだわりがたくさん詰まっています。
その土地の恵みや職人の知恵に敬意を払い、作り手の想いやこだわり、その製品が生まれた背景までも一緒に伝えることができれば。そんな思いから、『Suu』は生まれました。
「すーって、こころも身体も、静かに喜び、味わっている。」
一杯の美味しいコーヒーを通して、すーっと一息つける瞬間的な静けさを味わい、心の余白を感じられる時間を提供する。
つくる、たべるという人間のシンプルな営みのなかで、おいしさとともに「静けさ」、そして「豊かさ」をお届けしたいと考えています。
手間を加えること、手にしたもののストーリーにまで思いを馳せること
どれだけ効率よく便利に生きるかを重視する時代に生きている私たち。情報が溢れ物質的に豊かな一方で、情報が多すぎるあまりに、自分にとって本当に必要なものが何かがときどきわからなくなってしまいます。無意識のうちに「こうするべきだ」と決めつけ、自分自身を窮屈に縛ってしまっている、そんな現代の私たちの生き方は本当の意味で豊かとは言えないのかもしれません。
喧騒に溢れた日常のなか、ついつい見失いそうになる自分自身を見つめなおし、ほんの一瞬でもいいから深く息を吸い込むことができる静かな時間。これが、私たちの考える「豊かさ」の基準です。
たとえば、朝のコーヒーを淹れるとき。お湯が沸くのを待っているわずかな時間や、出来立てのコーヒーの香ばしい香りが鼻先に届いた瞬間、温かいコーヒーが喉を通って体の中へと流れ込んでいくことを感じる瞬間。コーヒーを飲む、という単純な動作も考え方次第ではたくさんの工程があり、そのときどきで感じるものは違います。普段なら気にも留めないようなひとつひとつの瞬間に目を向けることで、目の前にあるコーヒーや、コーヒーを飲む時間そのものが価値のあるものになるはずです。
ひとつひとつの製品の背景にあるストーリーに目を向け、簡単に、便利に、できるだけ時間をかけないといった「手間を省くこと」から、あえて「手間をかけること」に意識をおくことで見えてくるものがあります。
私たちの提供する上質なスペシャルティコーヒーやプロダクトを通して、当たり前の毎日のなかにある新たな発見や、自分にとって必要なものを再発見するきっかけを見つけていただきたいのです。
特別ではない日に、すーっと一息つく瞬間を。
私たちはコーヒーをコミュニケーションツールの一つであると位置付けます。
『旅の音』をはじめ、『MAMEBACO』や『喫茶と菓子 タビノネ』のお店では、これまでたくさんのお客様に足を運んでいただきました。コーヒーを飲むというだけでなく、焙煎機から聞こえる無骨な音やお店に漂うコーヒーの香り、窓から差し込む光、空間そのものまで、コーヒーを片手に思い思いの時間を過ごしていただけるお店づくりを行ってきました。
忙しい日々の中でふっと力を抜き、静かに、自分のためにすーっと一息つく瞬間が日常的に介在することになれば、きのうより少しだけ幸せな今日を過ごすことができる。
そのために私たちは、今日も美味しいスペシャルティコーヒーを丁寧に提供しています。
この先私たちは、コーヒーという枠から飛び出し、新たな製品を生み出していくつもりです。それは食べ物かもしれないし、服かもしれないし、場所かもしれない。もしかすると、形のないものかもしれない。私たちがお届けするものがどんなものであったとしても、お客様の日常のあらゆる瞬間に寄り添っていられるようなものでありたい。
つくる、たべるという人間のシンプルな営みのなかで、Suuはお客様の豊かな生活に寄り添うことを目指します。
淑やかな静けさで、こころと身体に向き合う。
Suuとお客様との3つの約束
スペシャルティコーヒーをはじめとするSuuの製品がきかっけになって、瞬間的な静けさや、そのなかにある淑やかな感覚を味わっていただきたい。そのために、お客様との間に3つのお約束をいたします。
1、豊かな時間のために、惜しみなく手間かける
Suuが取り扱うのは、豆の品種はもちろんのこと、生産された国や農園、生産者、流通過程、栽培方法などが明確で、徹底した品質管理が行われている生豆だけを使用した上質なスペシャルティコーヒーです。世界中のコーヒー生産国のなかから、品質・人柄共に信頼できる小規模なコーヒー農家さんのコーヒーのだけを仕入れ、届いた生豆は、焙煎前と焙煎後2度のハンドピッキング(人の手による検品作業)。コーヒーの味に影響を与えてしまう豆を取り除き、豆本来の持つポテンシャルを最大限に引き出したクリアなコーヒーに仕上げるためにあえて手間をかけ、“より美味しい一杯”を目指す努力を惜しみません。
いつものコーヒーがより美味しく感じるかもしれない。いつもより新鮮に感じるかもしれない。こうしたひと手間をかけることが、私たちの提供するスペシャルティコーヒーに価値を与え、飲む人にとってより有意義なものになるはずだと信じています。
2、産地や生産者と、地域や消費者との繋がりを深める
私たちが手にするものひとつひとつには、材料や原料に込められた生産者の想いやこだわりが詰まっています。それは、私たちが提供している、毎日何気なく飲んでいるコーヒーも同じ。
しかし、果てしなく遠い国でひたむきにコーヒーを作っている「生産者」と、さまざまな工程を経て届けられたコーヒーを飲む「消費者」は、いわば対局の場所にいる者同士。今日手にしたコーヒーが、お気に入りのものが、どんな人によってどう作られて、どうやってここまでやってきたのかを知ることは簡単なことではありません。
私たちは、その土地の恵みや職人の知恵に敬意を払い、原材料に込められた生産者の想いやこだわりを、手にした人にきちんと伝えたいという思いから、世界中にあるさまざまな生産地・農園のなかから、大量生産ではない小規模な生産者に着目。個性的なコーヒー豆を作り続けている小規模生産者から、個性的で良質な生豆だけをマイクロロットでの仕入れています。生産者とのコミュニケーションのなかで、生産者の想いやこだわりの製法、ときには生産者の顔まで、普通なら関わることのないような対極にいる者同士を繋ぎ、産地や土地、地域を繋いでいきたい。
「今日飲んだコーヒーには、こんな背景があったんだ」と、自分のなかにすーっと落とし込めるような感覚を、Suuを通して味わっていただければ幸いです。
3、淑やかな静けさを、再発見してもらう
深呼吸するときの「すー」という擬音からとった『Suu』。深く呼吸をすることで、それまで頭の中で考えていたことを一旦リセットしたり、気持ちを切り替えたりすることができますが、日々忙しくいろいろなことに追われていると、自分自身に目を向けることさえ忘れてしまうときもあります。
多くのことを考えず、いま目の前にあるものや自分のことだけに意識を向ける。そんな淑やかで静けさのある時間のきっかけになればと、Suuのなかに読み物を携えました。私たちの価値観や製品のこと、お店のこと、製品を作る農家さんのこと、今まで出会ったたくさんの人の思いやこれからのビジョンについて、たくさんのことをこの場所から発信したいと思います。
こころと身体が静かに喜ぶ瞬間を
家族が寝静まったあと、ひとりベランダでコーヒーを飲みながらひんやりとした空気や淑やかな静けさのなかで。テレビも消して、スマホも持たないで、男、女、夫、妻、父親、母親、社会人、学生、与えられた役割から外れた何者でもない自分を肯定し、心の余白を感じる。深く深呼吸をする。
そんな時間こそが、なによりも「豊か」であると、私たちは思うのです。
毎日頑張る自分とはほんの少しだけ離れて、自分の感情や思いに静かに向き合う。
こころと身体が静かに喜ぶ瞬間を、Suuに関わるすべてのみなさまに提供します。