暮らしや空間に対して、インテリアとしての植物の提案と大工としてものをつくることを生業とする大八(だいはち)さん。
親しみやすい人柄も相まって家族や地域に循環させる、好きな人たちと仕事を作る姿勢について伺いました。
撮影:寺嶋諒人付き合いのオープンさが仕事をつくる
ー現在のお仕事について教えてください。
大八:
大工と植物の2つが僕の生業になります。大工業は体調を崩したこともあってずっと離れていたのですが、最近再開して、日中は大工業、夜は農家(植物屋)というサイクルで日々働いています。
植物の仕事は単純に僕が好きな植物しか取り扱ってないんですけども、インテリアとしてすごい面白い植物ですし、拘りの額も作ってセットで販売しています。大工と植物って一見掛け離れた職業かと思われますが、実はどっちも「住居」や「空間」に関わるものに対して、自分がいいと思うものを作り、提案することをやってるっていうのは共通しているのかなと。
旅の音との出会いとカフェ『氵庵』の立ち上げ
ー旅の音は『鹿角羊歯(ビカクシダ)と珈琲』でご一緒していますが、どういうきっかけだったのでしょうか。
大八:
旅の音さんは最初、近所の珈琲屋さんという存在で。企画するなら植物だけを取り扱うイベントではないなと考えました。家でほっとした時、ご飯食べてる時とか、お酒飲んで心地いい時とかに、植物を眺めてほしいものだよねっていう思いから、知人に紹介してもらって旅の音さんに声をかけました。そこから仲良くなっていった感じです。あとは仲がいい、bar電球さんにお酒と料理を出してもらって、植物とコーヒー、お酒というテーマでイベントをやることになりました。
植物のイベントはコラボする人や空間に合わせてコンセプトを変えてるんですけど、旅の音さん、bar電球さんとやるイベントはゆるいマルシェみたいな雰囲気が好きでやっていて、各々の好きな人たちを呼んで集まるイベントになっています。
植物を売ってるけど、人と何かするのが結局好きで、その人が好きやから何かやろうかって言って、声かけた人たちと場所や空間を作るという事を大事に思っています。
ー好きな人たちを仕事に巻き込んでいけるのが大八さんの魅力です。大工業では銀閣寺にあるカフェ『氵庵 -sanzuian-』でもお世話になりました。
大八:
氵庵の元になったお店は、家族ぐるみでずっと関わりがあるお店だったので、空いているよりは使われている方がいいよねと植物のイベントをさせてもらいました。また、「出店された方が物件を気に入ってそのまま借りてくれたらいいよね」とコソッと思っていたところ、旅の音さんが初めからドンピシャで、お店をここで構えるとなったことが実はこれが大工を再開するきっかけだったんですよ。そこまでは声がかかっても体も悪いし、中途半端にやりたくないというプライドもあって断っていました。ただ、氵庵の元になったお店は、祖父と父が一緒に初めて大工として仕事した時の建物なんですよ。だからもう絶対に自分がやらなきゃいけないっていうものすごい使命感があり工事をさせてもらいました。で工事をやってみると、あれ、体も案外いけるなあってなったので、あれよあれよで今もずっと大工仕事も継続しています。
信頼が信頼を呼ぶ仕事のつなぎ方
ー仕事をしたい人たちをどうやって巻き込んでいますか?
大八 :
自分は愛を振りまくことが得意なんですよね(笑)氵庵の工事で久しぶりに大工をするとなった時に知り合いの職人さんが居なかったのですが、祖父と親父のツテを使ったところ、「親父さんおじいさんにお世話になったから、もちろん手を貸すよ」と言って協力してくれるチームができました。
大工仕事をする人はお見合い結婚だと思ってます。信頼している人が信頼している人を紹介して、うまいこと工事(仕事)が進んでいく。
植物の方は名前も顔も出さずネットで販売しているんですが、写真の撮り方、文章、SNSの使い方で勝負して販売する。マッチングアプリ的なものですよね。
この両方で関わる人やお客さんに愛を振り巻いてそれが相互に良い環境を与えているから、次の仕事に繋がったり、いろんな人を巻き込めるのかもしれません。あとは商売家系だからか生まれ育ちが京都でもだいぶオープンやと思います。だから面白い人が入ってきたらウェルカムな方がええし、県外から来た人と仲良くなる割合が多いですね。その流れで仲良くなった人にまた愛を振りまいて…(笑)といった感じでしょうか。
仕事も生活も回り回ってめぐる幸せ
ー最後に、今後やっていきたいことなど聞かせてください。
大八:
第一に、奥さんと犬との生活を大事にしたい。それが一番。最近気づいたんですけど、仕事を頑張って、義理人情や愛を大事に生きていれば、お金だけじゃなくて自分の大事なものや人に還元されている。それがまた繋がって、家庭との幸せになってる気がしてます。だから目の前にもらった仕事を一切手を抜かずに向き合うこと、それが結果的に家庭が幸せにするなあと思います。やりたいことと金銭のバランスは難しいけど、回り回って家族が幸せになってるから、まぁヨシ!と思ってます。大変な時もありますが、声かけてもらったことに対してはとりあえず真剣に、ほんまに1つ1つ向き合うことっていうのがやりたいことなのかもしんないですね。
【大八】
「植物を絵画のように飾る」コウモリラン・ビカクシダを販売する植物屋。
届いたその日からインテリアとして飾れるように、ハンドメイドで鑑賞額と鑑賞スタンドを製作しセット販売を行う。
Instagram:@p.daihachi